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螺旋皿ばね
高速スピンドルに適しています
螺旋皿ばねの基本メカニズムは、皿ばね状の2つの独立したコイルスプリングが二重螺旋で、構成され、アンバランスの要因である部品点数が非常に少なく、反復精度維持に優れています。
50,000rpm.の実例アプリケーション(国内実績)においてもすばらしい安定性を継続しています。(振動振幅量 2μm / 10,000 rpm.でバランス取り後、変動無く安定)
スピンドル内には一般に多数枚のサラバネをドローバー外径をガイドとして積み重ねられています。サラバネは圧縮されると内径が変化する特性があるため、ドローバーとのクリアランスをあらかじめ確保しておく必要があります。ロード・アンロード(圧縮・解放)を繰り返すとき、ドローバーとサラバネとの間にクリアランスが存在するため、個々のサラバネにズレが生じアンバランス発生の要因となり、高速スピンドルには不向きと評価されています。
(振動振幅量 2μm / 10,000 rpm.でバランス取り後、ロード・アンロードの繰り返し後 5〜10μmに変動)
螺旋皿ばねは一対のコイルスプリングが、強固に組み合わされている構造なので、ロード・アンロードの繰り返しにおいてもズレの発生が無く、フィールドバランス修正後においては、完全なバランス均衡を維持し続けます。
ドローバーの直径を太く、そしてばねの長さを短くできます
旧来のサラバネの内外径比は約1:2です。
螺旋皿ばねの内外径比は、1:1.7前後のため、同じ外径として比較すると、内径は17.6%大きくなります。つまりスピンドル内径を基準に螺旋皿ばねを選定すると、より太いドローバーを配置することができますので、ドローバーの剛性を高め、ドローバーの曲がりを抑え回転精度を向上します。
ばねのストローク中に摩擦がほとんど発生しません
旧来のサラバネは、ばね力が不足するとき複数枚を同じ向きに重ね、ばね板厚を厚く見せかけ、ばね力を増強させますが、ロード・アンロード(圧縮・弛緩)のプロセスでは、個々のサラバネの接触面で摺動摩擦が発生し、ストローク軌跡にヒステリシスループを描きます。そのため、圧縮荷重とツールのクランプ力が一致しないため、クランプ力の低下とともにアンクランプ力の増大を招いていました。
摩擦ロスの発生しない螺旋皿ばねではロード・アンロードのストローク軌跡はほぼ一致します。摩擦ロスが無いためアンクランプのための押圧機構をコンパクトに設計することができます。
積み重ねたサラバネの場合、ばね定数は摩擦力が作用する割合だけ高く、そして同様に円筒状の剛性がドローバーの剛性よりも高くなるため、ドローバーに曲げを発生する危険性があり、さらにその救済(修正)方法は存在していませんでした。
螺旋皿ばねの場合は、円筒状の剛性は低くドローバーを曲げることはありません。仮に曲げが発生した場合でも外周方向からの軽いハンマリングで修正が可能です。
寿命が長くなります
●個々のサラバネの組み合わせでは、摺動摩擦や一枚ごとの特性バラツキなどの影響により入力負荷が均等に与えられません。その結果、組み合わせの両端部や応力集中部に疲労が蓄積し、もっとも弱いサラバネから順次連鎖的に破壊される傾向があります。
◎螺旋皿ばねは冷間鍛造で切削部が無く、コイルスプリングと同様に入力負荷をばね全長で受けとめ、その応力を均等に分散するため疲労が少なく寿命が長くなります。
繰り返しストローク400万回まで許容する仕様実例が螺旋皿ばねの高寿命を証明しています。
ドローバーを傷めません
●サラバネは圧縮により内径が変化しながら摺動するためドローバー表面を傷つけます。
◎螺旋皿ばねの内周は、エッジ(シャープ)コーナーが無く、環状(ラウンド)形状のためドローバーを傷めません。ドローバーの焼き入れ研磨を省略された例もあります。
組み込み・調整時間が大幅に短縮できます
●サラバネは、組み合わせ方法により仕様が決定するため設計図面通りに組み合わせる必要があります。それぞれのサラバネの方向や枚数を注意深くチェックしながら組み込みます。場合によっては、一枚づつにグリスアップすることもあります。
◎一体成型品のためドローバーに差し込むだけで、組み込みは完了します。
螺旋皿ばねはオーダーメイド製品です。
お客様の仕様に合わせた螺旋皿ばねを製作いたします。照会シートでお問い合わせください。
貴社ご要求データに最適な螺旋皿ばねをご案内いたします。
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